コロナ禍におけるアジアのスタートアップの現状と可能性:AEA2020プレイベントレポート
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コロナ禍におけるアジアのスタートアップの現状と可能性:AEA2020プレイベントレポート

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ディープテックに関する企業・イベント等について情報を発信していくマガジン「DeepTech Imapact」
今回は、アジアのスタートアップが集まる日本最大級のディープテックカンファレンス「AEA2020」を特集していきます。

今年10月末に開催されるAEA2020。8月7日にはプレイベントとして「ニューノーマルの時代に向けて”これからのビジネス”を考える」が開催されました。日本を代表する大企業やスタートアップの支援組織の方々が集結。日本・アジアにおける企業のコロナ禍での影響と現状や、アジアのスタートアップとの連携に見出す可能性についてトークセッションが行われました。
本レポートでは、トークの概要や、当日話題にのぼった東南アジアのスタートアップを紹介しています。

コロナ禍をチャンスに変えるスタートアップ

最初に登壇したのは、日本貿易振興機構(JETRO)の海外調査部アジア大洋州課長である小島英太郎氏。アジア諸国における新型コロナウイルス流行の影響が説明されました。

ASEAN各国の製造業における景況感(PMI指数)を見ると、各国とも4月から5月頃が底で、8月初旬現在は回復傾向にあるとも言います。

小島氏はJETROと各地商工会議所で実施したアンケート結果を示しました。アジア諸国に拠点をもつ日本企業に対し、その国における今後の投資活動の温度感について質問したものです。それによれば、5〜7割が現状維持と回答しています。アジア各国をポテンシャルのある地域として見ている日本企業がまだまだ多いことが読み取れます。

次に小島氏は、コロナ禍をチャンスに変えているアジアのスタートアップとして、昨年のAEA2019で優勝したAcumen Research Laboratories(シンガポール)をはじめ、Qlue(インドネシア)、Practo(インド)の3社のケースを紹介しました。いずれも興味深いサービスを運営しています。編集部で事業概要をまとめました。

Acumen Research Laboratories(シンガポール)
昨年開かれたAEA2019で優勝したAcumenは、新しい敗血症の血液検査である「AcuSeptTM」を開発したスタートアップです。敗血症に特有のmRNAバイオマーカーを素早く検出することができ、検査から診断まで4〜5時間。従来の手法より格段に早く検査が可能です。
コロナ禍以降、新型コロナウイルスの遺伝子検査サービスも開始しました。

Qlue(インドネシア)
Qlueは、市民がアプリで道路のひび割れなどを報告できる「現代版目安箱」とも言うべきアプリをジャカルタ市と共同でリリースしています。
コロナ禍以降はヘルステックの領域に踏み出し、IoTを活用した顔認証機能付き体温センサーや、マスクの着用状況などの感知機能の開発を行い、インドネシア政府にも採用されました。

Practo(インド)
Practoは、遠隔医療アプリに取り組む大手事業者です。このアプリは、医師の検索や提供された医療情報の入手、さらにはQ&A機能を使って簡単な質問への回答やアドバイスを受けることができます。
シンガポールやインドネシアなど海外にも展開しており、コロナ禍以降は直近3ヶ月で5000万人がアクセスしました

コロナ禍における大企業とスタートアップの現状

続いて、AEA運営委員会委員長である各務氏がモデレーターとなり「日本・アジアにおける大手企業のコロナ禍での影響と現状」「ニューノーマルの世界におけるスタートアップとの連携について」をテーマに5名で意見を交しました。

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登壇者(写真、左から)
・三井不動産株式会社 執行役員 柏の葉街づくり推進部長:山下和則氏  
・凸版印刷株式会社 事業開発本部 戦略投資センター センター長:朝田大氏 
・日本マイクロソフト株式会社 エバンジェリスト:⻄脇資哲氏 
・一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ(TEP)代表理事:國土晋吾氏
・AEA運営委員会 委員長 / 東京大学教授:各務茂夫氏

三井不動産の山下氏は、価値観の変化するスピードが新型コロナウイルスの影響によって加速度的に上がったと指摘。コロナ後の人々のライフスタイルやまちづくりがどう変わるかを見据え、現実のデータをバーチャル空間で分析し、リアルな世界の価値を高める取り組みを進め、ハードとソフトが融合したまちづくりを目指していくと説明しました。

次にTEP代表理事の國土氏は、技術系スタートアップにおけるコロナ禍の影響として、開発速度の低下資金調達の先行きが不透明になったことを指摘しました。前者については、オンラインではなく実験室でしかできないような開発が止まってしまっていることや、バリューチェーンが寸断されていることが要因としてあげられました。後者については、コロナ禍でベンチャーキャピタルも投資や支援に慎重になっていること、国などによるセーフティネットが十分ではないことを理由としました。

凸版印刷の朝田氏は、スタートアップに対する投資を行う立場から、既に資金を拠出している会社に対してのフォローアップを強化するとともに、財務リスクを注視しつつ、新たなスタートアップへの投資も積極的に行っていきたいと話しました。

ニューノーマルの世界におけるスタートアップとの連携について

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コロナによって変化した世界とその可能性について、議論の話題は移っていきます。モデレーターの各務氏から、「日本企業の働き方はコロナ禍で変わることができるのか?」という問題提起がなされました。

日本マイクロソフトの⻄脇氏は、「仕事の達成度を高めるためにどのような雇用形態が必要になるか」という考え方に変わらなければならないとしたうえで、正社員以外の働き方がもっと認められるべきと応答します。さらに、こうした働き方の変化によって、大企業はスタートアップの力をいっそう必要とするようになると言います。

西脇氏は、伸びているスタートアップが可視化されやすい状況になっていると指摘し、山下氏も同様の見解を述べました。社会課題がこれまで以上に顕在化し、課題解決に向き合わなければマーケットに認められない時代へと移行しています。大企業にとってもスタートアップとの協業を通じて、社会課題に向き合う姿勢を持つことが不可欠です。

さらに各務氏は、コロナ禍における医療環境を例に挙げ、制度面の変化が起きていることを強調しました。病床不足をはじめとする医療崩壊のリスクが叫ばれるなかで、医療関係のいわゆる岩盤規制が緩和される可能性が高いというわけです。とがった技術を持つスタートアップにとっては、医療系の市場に入り込む機運が高まるのではないかと語りました。

以上、アジア各国のコロナ禍をめぐる状況から、これを機に社会課題の解決を目指して台頭するスタートアップ、日本の大企業とスタートアップの協業の可能性まで多岐にわたる論点が提起され、プレイベントは幕を閉じました。

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AEA2020(2020年10月27日 - 10月29日開催)
AEA2020には、アジアの注目スタートアップの数々が登壇します。2020年10月27日 - 10月29日開催までの3日間、すべてオンラインで開催されます。開催概要、参加するスタートアップの情報などは、9月下旬以降に発表予定です。

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