見出し画像

ライブ配信って、どうやるのがベストなの? ウェビナーのプラットフォーム選びからコンテンツのあり方まで、あらためて考えてみた

2020年はいろいろな変化が起き、あっというまに月日が流れているように感じます。リモートワークやオンライン授業といった手段が広まったことは、ひとつのポジティブな事象として捉えたいものです。

イベントのオンライン開催も普及しました。ビジネスの世界では、ウェビナー(ウェブセミナー)が非常に盛んです。また、決算発表会見などをオンラインで開催する例も増えています。

Story Design houseでも、株式会社オンヨミさんと共同で、オンラインイベントを開催しました。

今回のnoteではオンライン配信にまつわる運営の話をしたいと思います。

自社で開催する無料のイベント。せっかくなので挑戦してみたいこともあります。自分たちでやった経験があればこそ、お客様にも自信を持って提案できるというもの。

当社では、決算説明会や記者会見などのオンライン開催をトータルサポートするサービスも提供しています。こちらも是非ご覧ください。

<2020年9月2日追記>
当社の配信実績を一部ご紹介します。興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください
・ビジネスパーソン向けの、パネルディスカッションを含む講演会。Zoomウェビナーを使い、事前登録者に向けて配信。
・メディア記者を対象にした、新サービス発表会。参加メディアには事前に製品サンプルを送付し、Zoomミーティングを使って双方向にコミュニケーションを取りながら配信。

Zoomウェビナーの手軽さ

今回のイベントでは、Zoomウェビナーを利用して配信しました。

いまビジネス系のオンラインセミナーをするとき、もっとも簡単な方法はZoomだと思います。理由は、多くの人がZoomを使ったことがあるからです。この数ヶ月でみんないっきにZoomに慣れたはず。

使い慣れたツールは、トラブルが起きたときに対応しやすいです。操作ミスなのか、ツールの不具合なのか、それとも別の環境がおかしいのか、問題の切り分けがしやすい。

使い慣れないツールの場合は、違和感があっても、観ている自分の環境のせいなのか、配信している人がなにかミスしているのか判断しにくいでしょう。判断できないまま視聴を続けるのはストレスが掛かるものです。

料金的には、Zoom有料プランを使って大人数ミーティングをするのが一番安いですね。ただこのやり方だと、視聴者のマイクやカメラをコントロールしにくいのが難点です。Zoomウェビナーであれば、参加者は原則としてマイクもカメラも使えません。運営者側で参加者の音声や画像を管理することができます。

チャットやQ&A機能があるのもZoomのいいところですね。視聴者とのコミュニケーションが取れることは、ビジネス系イベントでも必須要件です。

画像1

《Zoomウェビナーに参加したときの画面イメージ。マイクやカメラのアイコンがなく、代わりにQ&Aなどがある。》

Zoomではなく、チャットツールを持たない別のプラットフォームで配信する場合は、Sli.doなどのQ&Aツールを組み合わせる方法もあります。

リアルで同じ空間に集まっている場合や、リアルとオンラインのどちらにも観客がいる場合には、Sli.doが効果的です。すべての参加者が同時に、同じチャット空間にアクセスできるので、参加者の間の不公平感もなくなります。

しかし、すべての参加者がオンラインにいる場合は、配信コンテンツとコミュニケーション手段がわかれるのはデメリットが出てきます。視聴中の注意力は散漫になりますし、運営側も気を配る場所が増えてしまって大変です。あまりオススメはできません。

ただし、配信のタイムラグが大きい場合には、Sli.doの独立性・即時性を優先させたほうがいいかもしれません。ニュース番組などで海外の記者が中継するときに、数秒のラグがあっても落ち着かない気分になりますよね。このあたりはツール選定だけでなく、配信者の話し方に影響される要素かもしれません。

ということで、コストパフォーマンスを含めて総合的に考えると、ビジネス系のオンラインイベントをやるときはまずはZoomで検討しましょう、ということになりそうです。

本当にライブ配信は必要か

もう1つ別の論点があります。リアルタイムに話すのか、収録しておいたコンテンツを配信するのか、ということです。

これはブライトコーブの大野耕平さんが語られていることなんですが、そもそも「ライブ配信をする必要性があるのか」

上記リンク先記事の閲覧には登録が必要ですが、Arm Treasure Dataが配信している「PLAZMA」というポッドキャストでも配信されているので是非聞いてみてください。

生配信は大変です。Zoomでセミナーをやるというと、普通はリアルタイムですべて行うと思います。それでもいいんだけど、やっぱりトラブルが起きやすいわけです。生放送なので。考えられるトラブルとしては、登壇者の回線やPCが落ちたとか、自宅の家族が乱入してきちゃったとか、スライドを見せようとして違う画面を共有してしまったとか。

そうしたトラブルを防ぐために、プレゼンテーション部分は事前に収録しておいて、イベント本番では収録動画を再生するというやり方があります。テレビ番組でも、生放送のなかでVTRを流したりしますよね。

またトラブル以前の問題として、緊張してうまく話せないとか、淡々としていて面白くないといったこともあります。実際、ひとりきりの自宅で見えない不特定多数に語りかけて笑いを取れたら、YouTuberになれそうです。

といったことを考慮して、今回のイベントではプレゼン部分を事前に収録し、その動画を画面共有で再生しながら進行しました。ただし、冒頭のご挨拶と、後半の質疑応答の部分はリアルタイムです。

もちろんこの手法にはデメリットもあります。今回の大きな課題は、配信することによって動画の画質がかなり悪くなってしまったことでした。視聴環境や通信状況の影響もあると思われますが、画質が粗くてスライドの文字が読みにくい方もいたようです。また、「スライドの切り替えが早すぎる」という指摘もいただきました。こうした要望は収録済みのため対応できませんでした。

Zoomで動画を流す場合は、解像度の低さを前提とした動画作りが必要でしょう。スライドの文字をかなり大きくしたり、話者をワイプにしてスライドがよく見えるようにしたりといった工夫ができそうです。

プラットフォームの雰囲気を捉える

Zoomでの運用にこだわらなければ、YouTubeのプレミア公開を使って動画公開スケジュールを設定しておき、そのタイミングに参加者をYouTubeに誘導するといったこともできるかもしれません。

OBS Studioなどを活用しながらYouTubeやVimeoでライブストリーミングをするというのもよさそうですが、配信難易度はぐっと上がります。

obsなど

《OBSを使ってYouTubeに配信するときの画面イメージ》

また、コンテンツを観る環境によって、参加者が受け取る印象は変わります。

人は、自分が思っている以上に、コンテンツが乗ったプラットフォームによる影響を受けています。

たとえばnoteに書かれたものを読むときとYahooニュースに書かれたものを読むときとでは、それがまったく同じ文章であっても、受ける印象は違ってくるはずだと思いませんか。Zoomを通して見るものとYouTubeを通して見るものも、受ける印象がずいぶん違うはずです。

どちらかといえば、YouTubeよりもVimeoでのライブ配信がいいかもしれません。Vimeoは視聴画面をシンプルに設計できます。YouTubeの場合は、関連動画などの制御が難しいという問題があります。

いずれにしても、コンテンツやコミュニケーション手段をちゃんと設計しないと、イベントに参加するというより「動画を見る」という体験に近くなってしまいそうです。積極的にイベントに参加してもらいたい場合は、Zoomのもつ「仕事に使うもの」「自分からも発信できるツール」というイメージが効果的なように思います。

視聴者にどんな印象を残したいのか?


結局のところ、「どのくらいお金を掛けるのか」に尽きるのですが、それはつまり「視聴者にどんな印象を残したいのか」ということです。

ビジネス系イベントを開催している以上、お仕事につなげていきたいなと思うわけですが、届ける価値や印象をひとくくりにはできません。

自分たちの提供するコンテンツの価値は何であって、何ではないのか。

たとえば「想い・熱量」であれば画質やリアルタイム性は重視したいでしょうし、「考え方・知恵」ならば気軽に落ち着いて聞けることや、コミュニケーションの容易さが大切な気がしますし、「知識・テクニック」であれば過不足なく正確に伝えることが重要そうです。

今回のイベントで私たちが届けたかった価値は「知恵」で、だから視聴者が気軽に使えて集中もしやすいであろうZoomを選んだのは正しかったと思います。

動画を収録したことでコンテンツの質を高められたのはよかったけれど、画質が粗くなってしまったのは反省点なので、次は別の手法を検討したいところです。

やっぱり、自分で手と頭を動かしてやってみないと、反省することも改善することもできませんね。いろんなことに挑戦できるのが私たちのいいところ。これからもやっていきますよ。

(文責:Story Design house 鈴木亮一)

Story Design houseでは、決算説明会や記者会見などのイベントのオンライン開催をトータルサポートする「オンラインイベント パッケージ」の提供しています。
備品・設備の準備、カメラマンの手配、配信ツールの設定、アカウントの作成などのオンライン配信業務を一括でサポートします。また、イベントの告知・集客や、コンテンツの動画編集などの支援もご相談可能です。まずはお気軽にお問合せください。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!