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ディープテック スタートアップは世界を変えるのか

Story Design houseの鈴木です。今回の話題は「ディープテック」。

スタートアップ業界にもブームがある

シェアリングエコノミー、フィンテック、ブロックチェーン、IoT、ロボティクス……。スタートアップ業界では様々なブームが巻き起こります。
とりわけ、いま注目を集めているのが「ディープテック」です。

先月『ディープテック 世界の未来を切り拓く「眠れる技術」』という書籍が発売され、話題になっています。
また、今週号の「週刊ダイヤモンド」の特集は「5年で大化け!サイエンス&ベンチャー105発」。見出しの言葉こそ違っていますが、ディープテックを正面から扱った内容です。

そもそも、ディープテックとはなんでしょうか。
まだ定義がはっきり定まっていない言葉ですが、下記のような特徴があるといえます。

大学や研究機関などで培われた技術をコアに構築されたビジネスモデル
・事業化してマーケットに出るまでに、莫大な投資を必要とする
・成功したあかつきには、世の中に大きなインパクトを与えうる事業

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これまでのスタートアップ業界では、初期投資が少なく、事業化までの期間が短いWebサービスへの投資が目立っていました。
しかし現在はその逆ともいえる、ディープテックを武器に起業するスタートアップへの注目度が上がっています。VC(ベンチャーキャピタル)による、ディープテック領域を投資対象としたファンドの設立も増えてきました。

スタートアップにはお金も時間も必要

何度かのベンチャーブームを経験し、日本におけるスタートアップへの投資は、この数年でようやく盛んになり始めました。
ニッセイ基礎研究所のレポートによれば、大企業がCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を設立する流れが出てきたのは2012〜13年頃から。
日本企業がCVCなどを通じてスタートアップに投資した金額は、2018年には1300億円を超えました。2017年の2倍近くに増えたようです。

スタートアップ、特にディープテック・スタートアップが成長するためには、お金も時間も掛かります。

たとえば、超小型人工衛星によるビジネスを展開するアクセルスペース
2013年に世界初の民間商用小型衛星を、2019年にはJAXAと提携した小型衛星を打ち上げるなど、躍進を続けています。

いまでこそ、アメリカのスペースXや、堀江貴文氏のインターステラテクノロジズの成功によって宇宙ビジネスは認知されてきました。しかし、アクセルスペースが創業した2008年当時は、スタートアップが宇宙ビジネスに挑戦することは一般的ではありませんでした。

アクセルスペースを創業直後から支援してきた組織のひとつに、TEP(TXアントレプレナーパートナーズ)があります。大学や研究機関などの先端技術を持ったディープテック・スタートアップを、エンジェル投資家が支援する組織です。

研究とビジネスのあいだには、果てしなく遠い距離があります。どんなに素晴らしい技術であっても、それがビジネスとして実現できるかは別の話です。
遠く離れた両者をつなぎ、社会を広げる仕組みが必要とされています。

ディープテックにフォーカスしたイベントが多数開催

世界各地で開催されている、スタートアップが一同に会するイベント。フィンランドで2008年に始まり毎年開催されているSlush、2016年からフランスで開催され始めたVivaTech、さらにシンガポールのEchelon Asia SummitTech in Asiaなどが広く知られていますが、その舞台は日本にもあります。

私たちStory Design houseでは、先述のTEPをはじめ、ディープテックに関わる団体や企業、イベントの広報PRをお手伝いしています。

たとえば、10月30日から柏の葉キャンパス地区で開催されるアジア・アントレプレナーシップ・アワード(AEA)。アジアのディープテック・スタートアップが集結するイベントです。日本でベンチャー支援がさほど活発ではなかった2012年から開催されています。

また、台湾を拠点とする非営利インキュベーター組織 Garage+(ガレージ・プラス)も、彼らがハブとなって日本企業と世界のディープテック・スタートアップをつなぐ動きを進めています。Garage+の日本企業向けメンパーシップクラブ Asia Startup Express / 亜州創業特急 がスタートし、10月31日にはローンチイベントも開催されます。

期待されている日本

AEAもGarage+も、世界のディープテック・スタートアップが日本に集まってくるイベントです。
日本はマーケットとしてまだまだ魅力的。また、海外からの日本企業の技術力への信頼度は強く、協業によって大きなイノベーションを生み出せるのではないかという期待があるようです。
CVC投資が増え、日本企業がオープンイノベーションに積極的になってきたことで、海外のディープテック・スタートアップが進出しやすい環境が醸成されつつあります。

Garage+代表のジョセフィーヌ氏は、「日本のモノづくりへの知見は深く、また距離的にも心理的にも台湾と近い。アジア経済の発展を目指す長期的なビジネスパートナーとして、積極的に連携していきたい」と語っています。

日本には課題先進国であるという側面もあります。
少子高齢化による労働力不足など、これから世界が直面していく課題をディープテックは解決できるのか。その技術が市場にマッチするか、ビジネスとして成立するかは、実際に試してみないとわかりません。日本企業との協業によって挑戦的なサービスが展開されることも期待されます。

ディープテックは世界を変えるのか

インターネットは世界を大きく変化させました。そしていま、ディープテックが世界を変えようとしています。

5Gなどの通信インフラや、AIを活用したコンピューティングなど、あらゆる技術が急速に進化しています。IT産業だけでなく、既存の産業構造にも技術革新の流れが訪れ、大きなインパクトを生み出す可能性が大きくなっている。それは従来の産業全体のアップデートにつながっていきます。
まったく新しい産業が創造されるときは、すぐそこまで来ているのかもしれません。

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イベントのご案内

「アジア・アントレプレナーシップ・アワード2019」
アジア各国から厳選されたAI / IoT・ヘルスケア/メディカル分野の技術系ベンチャーが集結!
国際的イノベーションアワード「アジア・アントレプレナーシップ・アワード(AEA)2019」のセミファイナルセッションとファイナルセッションを、一般公開日として10/31(木)・11/1(金)に開催いたします。
これからの時代を創る、アジアの若き起業家たちが集まるイノベーションアワードをどうぞお見逃しなく!

■主催:アジア・アントレプレナーシップ・アワード運営委員会
■共催:三井不動産株式会社、国立大学法人東京大学産学協創推進本部、一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ(TEP)、日本ベンチャー学会
■公用語:英語(一部同時通訳有)
https://aea2019.peatix.com/

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「テクノロジーでイノベーションを!世界のテックスタートアップと新規事業創出を目指す」
グローバルに展開する台湾の非出資型インキュベーター Garage+(ガレージ・プラス)は、次世代の新規事業創出を目指すメンバーシップクラブ「Asia Startup Express/ 亜州創業特急」のローンチイベントを開催します。

フォーチュン・グローバル500社に選ばれた、台湾を代表する世界的パソコンメーカーであるクアンタ・コンピュータ(広達電脳)のCTO テッド・チャン氏が新規事業創出戦略から具体的なアクションに至るまで、「新規事業の成功の秘訣」についてお話しいたします。

日本と台湾は長きにわたり最良のビジネスパートナーです。
テクノロジーによって産業を成長させてきた双方の変革のプロセスに、グローバルで勝ち抜くヒントがあると考えています。

・開催日時 :2019年10月31日(木)16:00開始、19:00終了予定
・開催場所 :OPRCT/Space C 東京都渋谷区上原1-29-10
・言語 :英語(通訳あり)
・参加費:1,000円

基調講演 (通訳あり)
/クアンタ・コンピュータ CTO Ted Chang氏
トレジャーデータ マーケティング担当ディレクター 堀内 健后氏 
HEART CATCH 代表取締役 西村真里子氏
台湾テックスタートアップのショートピッチ
/AI、IoT、エネルギー、MaaS、ヘルスケア、デジタルマーケティングなどの台湾スタートアップ10社が登壇
https://peatix.com/event/1354970/
Story Design houseでは「意志あるところに道をつくる」をミッションとして、さまざまな企業のPR活動を支援しています。是非、ウェブサイトもご覧ください。
お問い合わせはこちらから。 https://www.sd-h.jp/contact


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