日本企業が台湾のエコシステムに入るメリットとは?【Garage+イベントレポート】
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日本企業が台湾のエコシステムに入るメリットとは?【Garage+イベントレポート】

Story Design house

日経ビジネスのウェブ連載「1分で分かる起業家たちのリンカク」にて、5月から台湾編として、台湾のスタートアップ支援組織Garage+(ガレージ・プラス)が支援している起業家が登場しています。

今回のnoteでは、この「起業家たちのリンカク[台湾編]」の連続公開にあわせて、Garage+(ガレージ・プラス)についてご紹介します。

Story Design houseでは、昨年10月に東京都内で開催されたGarage+による日本向けイベントの運営と、日本国内での広報業務を支援しました。「起業家たちのリンカク」のインタビュー収録もお手伝いさせていただいています。

台湾経済界肝いりの、スタートアップ支援の仕組み

Garage+は、台湾の非出資型インキュベーターです。TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing )、MediaTek、デルタ電子、クアンタ・コンピュータなど、世界で活躍する台湾の大企業20社以上が所属する非営利法人 Epoch Foundation(時代基金會)が運営母体となり、「アジアを中心とする経済発展」を目的に設立されました。

Garage+の大きな特徴は「非出資型」であること。「アジアを中心とする経済発展」が進むことで、台湾、そして自社の発展に繋がっていくという大きな構想のもと、台湾の大企業からの寄付によって運営されています。投資に対するリターン回収を目的としないため、長期的なスタートアップ支援が実現しています。

Garage+がもっとも力を入れているのは、スタートアップの技術やサービスに注目する大企業との「商談機会」を作り、精度の高いマッチングをすることです。

昨年、Garage+が日本企業向けに開設したメンバーシップクラブ「Asia Startup Express / 亜州創業特急」では、日本企業と台湾経済界だけでなく、世界各国のスタートアップ、最先端のテクノロジー研究機関、世界中の優秀な若手人材をマッチングすることができます。

「アジアの経済を担う、スタートアップエコシステムを創る」

2019年10月31日、Garage+は「Asia Startup Express/亜州創業特急」のローンチイベントを開催しました。日本企業と台湾スタートアップのミートアップも兼ねたイベントです。
ここからは、当日の様子をレポートします。

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最初に登壇したのはEpoch Foundation代表のジョセフィーヌ・チャオ氏。

「なぜイノベーションと言えばシリコンバレーやイスラエルばかりで、台湾やアジアではないのでしょうか?」

彼女はそう問いかけると、Garage+とその運営母体であるEpoch Foundationについて説明しました。

Epoch Foundationは、台湾有数の大企業20社あまりが資金提供する非営利団体です。1991年の創立以来、「台湾の産業発展」と「アジア太平洋地域における地域経済の繁栄」をミッションに掲げて活動しています。

学生起業家を育成するEpoch School、スタートアップ支援のGarage+、そしてMITやイギリス王立国際問題研究所をはじめとする研究機関との連携と、産業発展の各フェーズでプログラムを展開しています。

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Garage+の主な特徴は3つ。
1つは、世界中のディープテック・スタートアップとのつながりがあること。Garage+には毎年約30ヵ国500社超のスタートアップからの応募があり、グローバル規模でのネットワークを形成しています。

2つめは、MITとの 20 年以上に及ぶ研究連携です。これまでに台湾を訪問したMITの教授は730人以上。活発な意見交換を行なっています。

3つめが、Epoch Schoolの卒業生からなる、3000人を超える起業家ネットワークを持っていることです。

日本向けメンバーシップクラブ「Asia Startup Express」

続けて、日本企業に向けてリリースした「Asia Startup Express/亜州創業特急」が紹介されました。

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Garage+ がハブとなって台湾のスタートアップと日本企業をマッチングし、アジア経済を活性化する新たなグローバルイノベーションを生み出すことを目的としています。IoT・エネルギー企業のNextDrive株式会社や、台湾の大手レシピサイトDoDoCookをはじめ、すでに日本企業との協業・進出が進んでいる台湾企業もあります。

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ジョセフィーヌさんは最後に、日本企業が台湾のエコシステムに入ることのメリットを語りました。

台湾企業の特徴は、決断が速いことだとジョセフィーヌさんは言います。
「台湾の人々の性格やビジネスの文化は日本に似ている。日本と台湾は、すでにある繋がりを活用して未来をともに作っていけます!」と力強く語っていたのが印象的でした。

「この惑星で最大のパソコンメーカー」に学ぶイノベーション

続いて登壇したのは、クアンタ・コンピュータ(広達電脳)のCTO テッド・チャン氏。新規事業創出戦略から具体的なアクションに至るまでを語りました。

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クアンタ社は台湾を代表する世界的パソコンメーカーです。2006年から、フォーチュン・グローバル500にも選ばれ続けています。

2012年にイギリスBBCの取材を受け、「この惑星で最大のノートパソコンメーカー」と紹介されたクアンタ。その道のりは、2000年にスティーブ・ジョブズから図面を受け取ったことから始まったといいます。Chrome搭載のノートパソコンを世界で初めて製作し、GoogleやAmazon、YouTubeなどのクラウド事業のシステム構築にも携わりました。スマートウォッチや自動運転技術の開発なども請け負っています。

多数のクライアントを抱えているクアンタですが、テッドさんは「グローバルな企業でも、それぞれが届けたいエンドユーザーは異なる。私たちはただの受注生産ではなく、『イノベーション』をサービスとして提供している」と語りました。

スタートアップとの協働はなぜ必要か。クアンタがオープンイノベーションに取り組む理由

「どこに一番いい技術があるのか」ということを常に考えているというテッドさん。テクノロジーの成長はS字カーブだと言います。

新たに開発された技術は、最初のうちは勢いがなく、勢いを得ることで上昇していきますが、最後には別の技術に取って変わられ停滞する。そうした新技術によるパラダイムシフトをキャッチアップしていくために、若い才能が重要だと語ります。
だからこそ、大企業だけでなく、若いスタートアップと付き合うことが大切です。

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ドラマ「下町ロケット」が好きだというテッドさん。
「我々も31年前は小さい会社でした。会社が大きくなると、スタートアップとどう一緒に働くか忘れてしまいます。『スタートアップとコミュニケーションをとれ』と常に言っています」

Garage+のようなハブとなる存在のおかげでスタートアップとの持続的なつながりを作ることができると、テッドさんは言います。大企業がスタートアップに接することにより、彼らの情熱も取り込めます。

クアンタに優秀な提案をすれば採用してくれると周知されているから、才能あるスタートアップが集まってくる。
「大事なのは、才能をいかにして集め、味方につけるかです」

未来をつくる起業家たち

「昨日はSFだったものが、今日の科学的事実になり、明日のテクノロジーになり、その先のライフスタイルになる」という言葉で講演を締めくくったテッドさん。

イベント最後の講演プログラムは、トレジャーデータの堀内健后さんと、ハートキャッチの西村真理子さんも登壇しました。
「Epoch Foundationのプラットフォームを活用して、グローバルなスタートアップ、才能、テクノロジーにアクセスする方法とは?」「大企業のCTOとしてテクノロジーと研究はどのようにビジネスをサポートし企業への価値を生み出すか?」などのトピックについて意見を交わし、日本企業がどのようにイノベーションを起こしていけるのか、会場に集まった人たちと議論を展開しました。

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講演終了後は、台湾スタートアップと日本企業のミートアップが行われました。言語の壁を越えて、自分たちのビジネスについて熱く語り合う様子が印象的でした。

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左から西村さん、テッドさん、ジョセフィーヌさん、堀内さん

「1分でわかる「起業家たち」のリンカク」の「台湾編」は、6月以降も続々と予定です。台湾企業に興味を持たれた方は、是非ご覧ください。

Story Design houseでは「意志あるところに道をつくる」をミッションとして、さまざまな企業のPR活動を支援しています。是非、ウェブサイトもご覧ください。
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