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Figmaコミュニティの熱気とリアルイベントの魅力:Tokyo Config Watch Partyから

こんにちは、あるいはこんばんは。Story Design houseの鈴木です。

5月11日に、品川・天王洲アイルのWHAT CAFEというスペースで「Tokyo Config Watch Party」が開催されました。

TokyoConfig Watch Partyとは?

ちょっとこれを説明するのに3段階必要なんですが……。

① Figmaというツールがあります。ブラウザ上で共同編集できるデザインプラットフォームで、最近かなり人気を集めているツールです。英語版しかなかったのですが、今年夏には日本語版が公開予定です。

② Figmaの開催するTech Conference 的な大型イベントが「Config」です。年に1回の頻度で開催され、新機能が発表されたり、先進的ユーザーなどがSpeakerとなって活用事例を紹介したりするお祭りです。

③ 2022年のConfigはオンライン配信での開催でしたが、日本では「みんなと一緒にConfigの中継を観よう!」というリアルイベントが開催されました。それが「Tokyo Config Watch Party」です。

配信されるイベントを、みんなで集まって視聴する。スポーツ中継のパブリックビューイングを思い浮かべてもらえれば、ひとまずイメージは近いと思います。

参加者はみんなFigmaが好きなFigmaユーザー。デザイナーやエンジニアの方を中心に、たくさんの人が集まりました。

当社(Story Design house)では、Figmaの日本進出にともなう広報PR関連業務を全面サポートしており、今回のイベント運営でもお手伝いさせていただきました。

今回の記事では、会社としてPR支援をしている立場からはすこし離れて、リアルなイベントの持つ魅力と、ユーザーコミュニティの盛り上がりについて、個人的に感じたことを書きたいと思います。

リアルの強さ

「Tokyo Config Watch Party」には、約200人ものFigmaユーザーが集まりました。平日の真っ昼間に開催されたイベントにもかかわらず、です。

2020年以降、人が集まることはほとんどできなくなりました。2022年5月現在も新規感染者の数はまだまったく減っていませんが、ワクチン接種率の向上などにより社会活動は少しずつ戻ってきています。

会場であらためて感じたのは、リアルイベントの持つ魅力でした。隣のテーブルに座っているのは知らない人だけど、この人もFigmaが好きなんだろうな。同じプロダクトを好きな人が、こんなに集まっているんだな。SNSなどを通じて、同好の士と交流することが気軽にできるようになりました。それでも、リアルな同じ空間に人が集まっていることの魅力には特別なものがあります。

FigmaのユーザーコミュニティはDiscodeなどを中心に形成されています。日本法人設立のずっと前から、日本語話者のためのユーザーコミュニティが運営されてきました。

イベントでは、それまでテキストでしか交流のなかった人に初めて会って喜んでいる様子の人たちも見かけました。Twitterで見かける方となにげない世間話ができたことが嬉しい、といった声も聞きました。オンラインでの交流が活発だからこそ、なおさらリアルの特別さを感じます。

リモートワークが定着している方や、フリーランスのため対面で人と会う機会自体が少ない方も多かったようです。また、会社内だけでは意見交換の機会が足りないと話してくれた方もいました。人はひとりだけで働くことはできない。そんなことをあらためて考えました。

プロダクトが強い

筆者はデザイナーでもエンジニアでもなく、実際にFigmaを使ったことはありませんでした。なぜこんなに多くのFigmaのファンが集まっているのか、参加者のみなさんにFigmaの魅力を尋ねました。

いろいろな声を聞いてわかったのは、「どうやら単純にプロダクトが優れているらしい」ということです。競合ツールとの違いとして挙げられるFigmaの特徴は「ブラウザ上ですべての操作ができる」という点ですが、それだけでなく、さまざまな機能が魅力的とのこと。

Configのメインイベント「新機能の発表」をまとめた記事を見ると、かなり便利なアップデートがたくさん追加されたようです。

ユーザーの声を聞くカルチャー

「ユーザーの声を聞いてくれる」こともFigmaの魅力だと、ユーザーコミュニティの運営ボランティアの方が教えてくれました。

今回のTokyo Config Watch Partyのなかでも、プロダクト責任者の山下さんとイベント会場をZoomで繋ぎ、リアルタイムで質疑応答をするセッションがありました。世界規模で展開されているサービスの開発責任者と直接話すことができるというのは、考えてみればなかなかないことです(筆者が思いつく例は、初期のニコニコ動画くらいでしょうか)。

こちらのレポート記事でも質疑応答コーナーについて触れられています。

──どのようにユーザーのフィードバックを受け取り、開発の優先順位づけに活かしていますか?
山下 ユーザーのフィードバックは常に全社員が読んでいます。

そう、「ユーザーのフィードバックは常に全社員が読んでいます」って、さらっと答えていましたが、尋常じゃないですね。ユーザーを大切にしているFigmaの姿勢が伝わる言葉だと思います。

『すべての人がデザインを利用できるようにする』

Figma日本法人の3番めの社員(イベント開催当日はまだ入社前)のCoreyさんと交わした対話が、とても印象的でした。

Figmaはなにがすごいのか? それは、ブラックボックスだったデザインを開かれたものにしたことです

それまでの「デザイン」は、デザイナーのMacbookのなかに閉じ込められていました。ブラウザ上で動き、簡単に共有できて、すぐに共同作業ができるFigmaは、デザイナーを孤独から開放しました。

PowerpointとGoogleスライドの関係で考えるとイメージしやすいかもしれません。同僚が作成途中のプレゼン資料にちょっとした誤字を見つけたとき、Powerpointの場合は作成者のパソコン内にあるファイルを直接修正しなくてはいけませんが、Googleスライドであれば本人以外で修正できます。ブラウザで共同作業ができるとは、そういうことです。

私たちの仕事の「ミッション」はなんでしょうか。プロジェクトのミッションは、デザインをつくることではなく、よいプロダクトをユーザーに届けることです。

そのミッションを達成するためであれば、デザインの専門知識を持っていない人がデザインに関わってもいいし、デザイナーがエンジニアリングなどの領域まで手を伸ばしてもいい。仕事の領域を必要以上に限定せず、ゆるやかな職能のグラデーションのなかで、一緒にプロジェクトを進めていく。「ブラウザベースのコラボレーションツール」であるFigmaは、その助けになるというわけです。

どうしてFigmaにはたくさんのファンがいるんでしょうか? 筆者の質問に、Corryさんはこう答えます。「それは、Figmaを使うことで仕事が楽しくなったという経験を、みんなが持っているからじゃないかな」。

"make design accessible to everyone." (すべての人がデザインを利用できるようにする)

これがFigmaの掲げるVisionです。仕事のツールが変わることで、仕事のやりかたも変わり、より本質的な課題に取り組む時間や余裕が生まれる。仕事が楽しくなる。そんな体験ができたら、きっとそのツールのことも好きになってしまうでしょう。

他者といっしょに働くことは、もっと楽しくなれる。Figmaという新しいツールに触れ、たくさんの人たちの熱気に触れて、筆者はそんなことを考えたのでした。

Figma Japan Community Event

Figma Japanのコミュニティイベントが7月27日に都内で開催されます。すでにFigmaを使っている方も、この記事で初めて関心をもった方も、Figmaに興味があればどなたでも参加できます。Figma本社から主要メンバーも来日し「中の人」とも交流できるイベントです。詳しくはこちらをご覧ください。

Figma Japan Community Eventの概要
・日程:7月27日(水)4:30pm〜7:30pm (4:00pm 開場予定)
・会場:渋谷・原宿近辺*1
・参加方法:事前登録された方から抽選で200名様をご招待
・事前応募期限:7月12日(火)16:00 まで
・参加方式:無料
・参加特典:SWAG (Figmaオフィシャルグッズ)をプレゼント*2
*1 会場の詳細は当選された方に別途ご案内します。
*2 数に限りがあり、先着順となります。

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