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クリエイターをリスペクトできるチームで働く──瀬下翔太さん(編集者)

私たちStory Design house(以下、SDh)は、クライアントのPR・ブランディングを支援するにあたって、社外パートナーとの恊働に積極的に取り組んでいます。フォトグラファー、デザイナー、ライター、編集者……さまざまなクリエイターが集まって、SDhのクリエイティブチームを形成しているのです。

そんなSDhの「生態系」を、社外から参画するパートナーの目線から語っていただく連載を始めます。記念すべき第一回は、編集者として、当メディア「PR COMPASS」の運営にも携わっている瀬下翔太さんにお話を伺います。

連載「SDhの生態系」
私たちStory Design house(以下、SDh)は、クライアントのPR・ブランディングを支援するにあたって、社外パートナーとの恊働に積極的に取り組んでいます。フォトグラファー、デザイナー、ライター、編集者……さまざまなクリエイターが集まって、SDhのクリエイティブチームを形成しているのです。本連載では、社外から参画するパートナーのインタビューを通じてSDhの「生態系」を紹介します。

瀬下 翔太(せしも・しょうた)
1991年、埼玉県生まれ。東京都在住。編集者、ディレクター。NPO法人bootopia代表理事。慶應義塾大学環境情報学部卒業。2012年より批評とメディアのプロジェクト「Rhetorica」の企画・編集を行う。2015年に島根県鹿足郡津和野町に居を移し、2021年春まで高校生向け下宿を運営。主な著作に『新世代エディターズファイル 越境する編集──デジタルからコミュニティ、行政まで』(共編著、ビー・エヌ・エヌ、2021年)、『ライティングの哲学──書けない悩みのための執筆論』(共著、星海社、2021年)など。

SDhチームの「一員」として

── ふだん取り組んでおられるお仕事について教えてください。

フリーの編集者として、さまざまな企業のプロジェクトに参加しています。

編集者というと「記事をつくる人」というイメージが強いかもしれません。ただ、ぼくの場合は記事制作に加えて、リサーチやディレクションといった業務も担うことが多いです。そうして複数のプロジェクトに参加しながら生活しています。

SDhさんとのお仕事も、そうしたプロジェクトのひとつですね。最初は本記事が掲載されているメディア「PR COMPASS」の企画・編集をお願いできないかとご相談いただきまして、それがかかわるきっかけだったと思います。

── SDhではどのようなお仕事をされていますか?

「PR COMPASS」の編集者として、企画・記事制作・ディレクションなどを担当しています。CEOの隈元さんも交えた編集会議の進行も任せてもらって、社員ではありませんが「SDhチームの一員」という気持ちでメディアの運営に携わっています。

ほかにもスポットでお声掛けいただくことがあります。SDhのクライアント企業が実施するPRプロジェクトに編集者として参加する感じです。

興味のある領域でチャレンジできる環境

── SDhとの仕事の中で、特に印象に残っているものは何ですか?

まず思いつくのは、2020年に参加したKiryu Craft Story」の制作です。とりわけ印象的だったのは、取材旅行でチームを率いてくださったSDh・横山さんの「ディレクション力」です。

クライアントとのコミュニケーションや取材スケジュールの調整はもちろん、移動手段や食事・宿の手配まですべてを担当してくださったのですが、その仕事ぶりが非常に鮮やかで……特に、急な天候の変化やそれによる予定の変更など、不測の事態への対応力がすばらしかったです。

そのおかげで、自分は取材のとき「このチームで良い記事をつくること」だけを考えたらいい。現場でクリエイションのことに集中できるって、なかなかありません。プレイヤーとして動きやすかったことはもちろん、ディレクションってこういうものなんだ、現場はこうやって仕切っていくものなんだという学びがありました。

フリーランスには上司がいないので、横山さんのような「先輩」的な存在と一緒に仕事ができるのは、とてもありがたいことです。ぼくが勝手に思っているだけですが(笑)。ほかにもクライアント向け資料のつくり方など、フリーランスどうしの情報交換だけでは得られない知見をSDhさんからいただいています。

── ほかに、やりがいのあった仕事は?

この媒体「PR COMPASS」でもいろいろ新しいチャレンジをさせていただき、その一つひとつが心に残っています。たとえば森さんのコラム連載「広報の現場から」では、これまでにやったことがない取材のしかたに挑戦しました。

あらかじめ原稿を書いてきてもらうのでも、まっさらな状態からインタビューするのでもなく、森さんに「話したいことメモ」を作っていただき、それをもとに対話しながら、一緒に文章を作っていくという形です。話す人/書く人/編集する人というふうに役割を分業して完成を目指すやりかたではなく、「みんなで一緒にまっすぐ進む」やりかたを採用したわけですね。

そのおかげで記事完成までのスピードが上がっただけでなく、いわゆるインタビューだったら落としていたかもしれない小さいけれども重要な話題を拾うことができました。話されていることをその場でかたちにしていくスピード感も純粋に楽しかったし、ストレスなく質の高い連載を続けられたと思います。

ほかに「PR COMPASS」では、自分の興味・関心にもとづいた企画をいくつも実現させていただきました。たとえばローカル・アクティビスト 小松理虔氏への取材記事では、「あるべき地域PRのかたち」から「ジャーナリズムと広報の関係」まで、ちょっぴりハードな話題も含めて伺うことができました。

また、AEA(アジア・アントレプレナーシップ・アワード)に関する記事では、ずっと仕事をしてみたかった方にグラレコの制作をお願いしたり、東京大学・各務茂夫教授へのインタビューでかなり重たい取材をしたり。ビジネス・テクノロジー分野で自分のやってみたかったことにチャレンジする機会をいただきました。

まっすぐで柔らかいチーム

── パートナーの立場から見て、SDhの強みや魅力はどのような部分にあると思いますか?

つくること・つくる人へのリスペクトを絶やさず、それでいて難易度の高いプロジェクトをしっかりと進行しているところだと思います。

これら二つの両立は難しいはずです。クリエイターをリスペクトしすぎてプロジェクトの進行を妨げてしまって、かえってチームに負担がかかったり、逆にプロジェクトの遂行を優先するあまり、コミュニケーションが犠牲になってしまったりしがちで……。でもSDhさんは、この二つをどちらも高いレベルで実現してくださるので、とても気持ちよく仕事ができます

たとえば、ふだんの打ち合わせでも「どうやったら進めやすいですか?」と「やり方」の部分からクリエイターの意見を聞いてくださいます。自由に提案しやすい雰囲気の中で、自分もクリエイティブチームの一員だという感覚を得られますし、もっと工夫して良いものを作ろうという気持ちが湧いてきます。また、そういったコミュニケーションを通じて、やり方に納得した上で取り組んでいるからこそ、クライアントの都合で制作の方向性が変わるときも、不要なストレスを感じずに済みます。

それから、SDhの方々は皆さん「ほめ上手」ですよね。クリエイティブの良いポイントをきちんと掴んでコメントしてくれるし、改善提案も明確です。良いときは心の底から称賛してくださる感じがするから、本当に嬉しくなります(笑)。

制作に専念しやすい環境を提供してくださるうえ、責任をクリエイターに押し付けることもないですしね。最近気がついたのですが、SDhの方々は、「ライターに書かせます」、「修正させます」みたいな使役動詞を使わないんですよ。いつも「私たち」を主語にしてプロジェクトに取り組まれているからかなと思います。

そういった言葉の端々にも、コミュニケーションを大切にする文化を感じます。隈元さんを中心に、まっすぐさと柔らかさを兼ね備えたチーム。そういったチームと一緒に働けると幸せですよね。

「編集者」の枠を飛び出し、これまで以上に良いものを

── 今後SDhと一緒に取り組みたいことや、個人的な目標があれば教えてください。

SDhさんとは、地域やテクノロジーなど自分の得意なカテゴリで、広報・ブランディング関連の仕事に取り組むことができたら嬉しいですよね。いつもクリエイティブに専念できるチームを編成してくれるという信頼があるから、あとはこちらがやるだけかなと。スキルや経験を思いきり活かして、これまで以上に良いものを作ってみたいです。

個人的な目標について言えば、ちょっと突飛なんですが、最近アナログゲームをつくっているんですよ。お香の香りを使ったゲームなんですが、これが制作していて本当に楽しい。いわゆる「編集者」の仕事なのかはわかりませんが、あまり枠にとらわれずにやっていきたいと思います。いつかSDhでゲームをつくるプロジェクトが始まったら、ぼくを呼んでくださいね(笑)。

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